はじめに
昨今、VR(バーチャルリアリティ)が脚光を浴びていますが、市場のVRと研究開発の最前線とは大きく隔たりがあります。
「アカデミックのVRには全く関係ない」という方もおられるとは思いますが、先人たちの失敗や成功例を知っておくことは新たな発想の手助けになったり、無駄な開発にコストを掛けなくても済みます。
そこで、このブログではVR・AR、ユーザインタラクションなどの最先端をなるべくオープンにすることを目的とします。
ただし、ブログはあくまでもブログ。査読も第三者の編集も入っていません。あくまで個人的な見解です。
まずはVRの概念的なお話から。
Virtualを仮想と訳すのは間違いです(仮想はimagination)。ビットコインなどvirtual currencyは「お金」としての機能をちゃんと果たしています。仮想のお金であれば妄想のお金で終わってます。
Virtualを的確に訳す日本語はありません。Virtualとは「姿形は異なっているが、実効的に同等の機能を有する」という意味です[1]。
色即是空
では「姿形は異なっているが、実効的に同等の機能を有する」を別の言葉でい言い換えるならば何があるでしょうか。実は色即是空と非常に似た概念といえます。色即是空が「目に見える物質的なものや形あるものもので不変というものは存在せず、本質のみの集合体である」というならば、VRもまさにそうではないでしょうか。
VRの世界は東洋の思想とよく似た概念と思えます。
[1] 舘 暲,日本バーチャリリアリティ学会誌Vol.1,P4, 1996.