産業向けAR

産業向けAR

まず、AR,MR,VRの定義について整理します。実空間に対比してすべてをCGで構成された世界を人工現実感(Virtual Reality:VR)が位置します。その間には次の2つが位置します。

  • 仮想化現実(Augmented Virtuality:AV)
    • VR空間に実空間のコンピュータ上のデジタル情報を加えた空間
  • 拡張現実(Augmented Reality:AR)
    • 実空間にデジタル情報を加えた空間
スライド1_edited

これらを含めてMixed Realityと称します。今日では例えばIoTの情報をVR空間に表示するシステムをAVというべきでしょうか。

 

デバイスによる分類

MRでもデバイスによって分類されます。

  • ビデオシースルー
    • 実空間を撮影しているカメラ映像に情報を重畳させるもの
  • 光学シースルー
    • 実空間に情報のみを重畳させるもの

どちらもメリットデメリットがあります。

ビデオシースルーの場合デバイスとしてはカメラ付きHMD(例えばApple VisionPro)がこれに相当します。頭を覆うHMDを現場作業で使うには安全面の上でベストとは言い難いです。また、現場作業者一人ひとりに支給することは難しいです。

またスマートグラスを用いたMRもカメラ映像に情報が重畳されます。実物を見ながらカメラ映像も見ながらとなりますので、同じ視覚情報が重複するので使い勝手はいかがでしょうか。

しかし、同じビデオシースルーでもスマートフォンやタブレットを用いる場合、アプリを個人のデバイスにインストールしたりHMDよりも安価に導入することが可能です。

一方、光学シースルーの場合、実空間と表示する情報の位置合わせがビデオシースルーと比較くして容易ではありません。しかし、HMDタイプとはことなり実空間に情報のみを重畳させることができます。

表示位置

情報の表示位置の指定もいろいろあります。

  • 画像の位置
    • AR用のQRコードのようなマーカーを用いたり、画像の位置にデジタル情報を重畳させる方法です。後者は商品のパッケージを認識させたりなどコンシューマ向けプロモーションで使われてます。
  • 床や壁
    • 床や壁などの平面を認識しその場所にデジタル情報を表示させる方法です。特定のマーカーや画像が必要ないので手軽に利用できるメリットがあります。
  • 立体物
    • いままでは画像や床面など2次元の情報が認識対象でしたが、最近では立体物を認識対象として捉えることが可能になってきました。AR/MRで識別させるためのシールを貼れない機械などにデジタル情報を重畳できます。下の動画ではエンジンを識別対象とし指定した場所に特定のデジタル情報を重畳しています。詳しくはこちらをご参照ください