FEMとVR

FEMとVR

FMS(フレキシブル生産システム)とは多品種・小ロット生産に対応した、柔軟な生産システムです。FMSの最大の特徴は産業用ロボットを用いた自動化です。自動化させることで作業工程を短縮や、作業員によって生じる品質の差を抑えることが可能になります。
 
しかし、FMSの導入は制御アルゴリズムが複雑であること、システムの制御コンポーネントが統合された構造であること、機械や製品の状態に関する大量のリアルタイムデータがあることなどから、FMSの計画、設計、運用は非常に複雑な作業となります。
 
製造業は基本的に、製品設計、生産設計、生産システムの実装、実際の生産システムの運用という4つのクラスのエンジニアリングタスクで構成されています。例えばシステムを導入する際にVRを活用することで、形状やサイズ、現状を3VR空間で表現することができ導入の検証ができます。
 
VR空間では、人が製造スタッフの動作を模倣し、人間工学、リーチ、アクセスなどのレイアウトを評価することができます。さらに、機能している既存の製造設備の改造を、進行中の製造プロセスを中断することなく計画・シミュレーションすることが可能にます。
 
また、オペレーションの教育や訓練においても紙面のマニュアルベースから仮想的なOJTやこれまでにない操作タスクを体験することが可能になります。
 
さらに、FMSがネットワークに接続されている(IoT化)されれば、システムの状況をネットワークを通じてロボットや装置の挙動をVR空間に再現し、体感的にシステムの状態を把握できます。
 
FMS環境は危険な機械構造となっている場合もあり、作業者がFMS環境を自由に歩き回ることはできません。VRを活用することではFMSを操作することができ、危険な現場に仮想的にいるだけでよいのです。このようなアプリケーションには、非常に洗練されたリアルタイムのマルチメディア・データベース・ツールも必要となります。